Mac で作るタイムサーバー

アジャタイム

パソコンの時計の精度が鯨のヒゲゼンマイ時計なみなのはよく知られている事実である。タイムスタンプがおかしい電子メールをもらって、「やれやれ、時計くらい合わしとけよ」となげいたことがあるのは私だけではあるまい。

げに、インターネット時代を迎えて正確な時計の必要性はますます大きくなっている(ことにしとこう)。さりとて、毎日マメにゼンマイを巻くなんてかったるくてやってられない。そこで、このごろ身近な存在になってきた、そう、あれ、あれである。「GPS」、地球上の人々に位置情報を教えてくれるアメリカ合衆国がつくったお星様。それが時計と何の関係があんのんかというと、GPS はその仕組みからして、この上もなく正確な時計を持っているのだ。

これを使えば、ヒゲゼンマイとはおさらばできるではないか〜。

PC-UNIX なんかだと GPS 利用な時計の合わせ方をぼつぼつ見かけるので Macintosh 用もあるだろうと探してみたのだが見当たらない(探し方が悪いだけ?)。しかたがないので作ってみた。> 今、気付いたのだが GPSy で可能なようである(^^;。

「アジャタイム」登場である。

「アジャタイム」は GM38 という GPS ロケーター専用である。GM38 が送ってくる時刻データに Mac の時計を合わせるユーティリティだ。REALbasic(一部 CodeWarrior C/C++)で開発された 68K アプリケーション(PowerMac でも動くはず)となっている。そもそも、オールドマックをタイムサーバーにするために開発したのだ。

GM38(販売店は GM-38 と表記していた)を選んだのは単に、この使用目的に適した製品の中でもっとも安かったからである(通販で30,000.円程度だった)。時刻合わせ専用の GPS なるものも存在するが高価なので貧乏な私には買えない。

機材の写真
右から、GM38、ACアダプタ、DB9-DIN8変換コネクタ。

さらに、有名な Peter N Lewis 氏の Daemon という NTP Server(もやってくれる)ソフトと組み合わせれば LAN でつながった家中の Mac の時計も合わせることができる。マックでインターネットサーバーなんて酔狂な人にもピッタリである。

「日付 & 時刻」コントロールパネルでネットワーク・タイムサーバを使用して時刻を合わせてる人も、これではるばる大平洋を渡ってアップルのタイムサーバーに時間を聞きに行かなくても済むのだ。え、日本のタイムサーバーを使えばいいって(^^;。にしてもだ、となりのミヨちゃんも、あなたが四六時中「今、何時?」と聞きにくるのをけっして快くは思っておるまいまい(はカタツムリ)?

さあ、あなたもアジャタイムと Daemon を組み合わせて一家に一台 NTP Server だ!

使用方法

「GM38 をシリアルポートに接続して、アジャタイムを起動するだけ」である。

起動すると、アジャタイムが自動的に GM38 を探し出して、時計を合わせてくれる。ただし、マックと GPS の時刻の差が ±60秒以上だと自動補正はしないので、[いますぐ時刻を合わせる] ボタンを押して強制的に同期させる必要がある。後はほっとけば、マックの時計のズレを監視して必要があれば自動修正する。

※これは旧バージョンの解説であり、最新版はまた話が違うのでそっちのページをみて頂戴。

(2000-07-10)

v2 でました

(2000-07-31)

REALbasic のバグ

2週間くらいでフリーズするというので調査したところ、どうやら開発に使っている REALbasic のバグで長時間起動したままだとタイマーが働かなくなるらしい(タイマーが止まってシリアルポートを読みにいかなくなって死んでしまう)。私自身は、1日1回自動再起動するサーバーで使っているので問題ないんだが。(かんべんしてくれよ > REALbasic)

暇ができたら対策するので、それまでは、1週間に1度くらいアプリケーションを一旦終了して、再立ち上げするようにして使ってほしい(システム自体を再起動してもよい)。

(2000-09-18)

v5 でました

(2000-09-26)

v6 でました

(2001-09-15)

v7 でました

主要処理にタイマー割り込みと非同期 I/O を使って負荷を軽減。電波時計にも対応。Peter N Lewis 氏の Daemon は、もうオフィシャルには配付されていないようなので、SNTP Server 機能も付けてみた。→解説ページへ

(2002-01-25)

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