仰天イカモノ堂

開腹によるコバQ回復術

コバルトキューブを治療する

知人i氏の Cobalt Qube 2J が不調でイカモノ堂に入院してきた。 Cobalt Qube といえば、G4 Cube が出た時、コバルト社が「まねっこや〜い」と言ったというんで物議をかもしたブルーの立方体型サーバーアプライアンスである。 私も1台欲しいと思っていたのだが、コバルト社がサン・マイクロシステムズに買収されてしまい(;_;)、すっかり購入意欲が失せてしまった。

で、その治療記録である。

メモリ不足が懸念されていたので、まずはメモリを 64MB に増設。 Qube 2 のメモリは 3.3V EDO 72pin SIMM という、なんでわざわざそんなもんな仕様なので、ちと値段が高かった。

ハードディスクを外して PC に取り付け、あらかじめバックアップしておいた初期状態のシステムに復帰させる。 Cobalt OS リストア CD を使えば、ネットブートで再インストールできるらしいが、Qube 2J では購入時にはそんなもの付いていない

リストアしたハードディスクを取り付け。 ここで一旦電源を入れて正常に動作することを確認。 コバルトから出ている OS アップデートや各種パッチをあてる。

蓋をしめて、

できあがり。

熱心なコバQユーザーによる Web ページでの分解、改造系の記事が各地で見られるが、匡体をかってに開けちゃっただけで無償保証がきかなくなるらしいので困ったもんである(買ってすぐに開けちゃったけど(^^;)。 シャーシに貼ってある(剥がすとばれ〜る)シールを剥がしたら保証外らしい(保証書ではそこまで具体的には記述されていない)のだが、メモリの増設も PCI スロットへ拡張カードを差すにもシールを剥がさねばならない。 これではまるで、「一昔前の国産パソコンではないか」と購入時に思ったものだ。

まあ、メーカーの気持ちも分からんではないが、telnet で設定を誤って起動しなくなっただけで保証範囲外だと言うなら、せめてユーザーサイドで出荷状態に戻せる手立てくらい準備しておいてほしいものである。 もどしちゃうけど(^^)。

(2001-03-04)

これでも、不調は治らなかった。 ハードウェアの問題も考えられるので修理に出すことにした。 販売代理店に連絡したところ、対応はとてもグッドで、念のため確認したのだが、「シールを剥がしたからといって無償保証の対象外になるわけではない」そうである(もちろん、匡体を開けて作業したのが原因で壊しちゃったとかいうのは対象外だろうけど)。 よかった、よかった。 でもやっぱり、日本語版のリストア CD は売ってないらしい。 英語版ならあるのになあ(日本向けには売っていない)。 Qube 3 には最初から付いてるし。 もう一人の知人Oさんの MM Qube は大丈夫だろうか。

(2001-03-08)

修理から戻ってきたのだが、やはりハードウェアにも問題があったらしく、その部分は治っていた。 しかし... 私の意図した用途(別にただの Apple Share ファイルサーバーなんだけど)では実用上とても、「使いもんにならんやんこれじゃ」な問題が治ってない。 販売代理店も現象自体は確認してくれたのだが、代理店レベルではどうしようもないらしい。

「これって割とオープンソースでしょ? 自分で、てきと〜に直すから安心のためにレストア CD を売ってくれない?」とお願いしたのだが、これもだめ(T_T)。 仕方がないのでコバルトと直談判することにした。

(2001-04-03)

結果、サン・コバルトはユーザーからの相談やクレームを直接受け付けることは一切ないそうである。 少なくともリストアCD をユーザーに販売することも(現時点では)できないらしい。 代理店でもサン・コバルトでも電話応対して下さった担当の方は、こちらの問題を理解し、メーカーや代理店としての事情をきちんと説明してくれた点はすばらしいのだが、問題の解決にはならなかった。

RaQ を何百台も買ってくれる ISP/ASP ならともかく、Qube 1台買うくらいのチンケな客の相談にいちいちのってられるかいという理論も良く分かるので、ここは矛をおさめることにした。 ゴネて金品を要求するクレーマーと間違えられても困るしね(^^)。

リストア CD については、自己責任意識の無い「日本人にそんなもん配ったら収集がつかん」との賢明な判断だとは思うが、それがあると問題点の解決にとても有効と感じる人間にとっては、不便なだけの話である。

昔からコンピュータを使っている人間は、カタログには使えると書いてあっても、実際に購入してみると使い物にならないに等しいこともあるのには慣れっこなので、目くじらをたてるほどのことではないが、メーカーはあてにならず、自分では問題を解決できるスキルがない普通の消費者は途方に暮れるしかないというのは少し悲しい。 さて、なんとかするか、オープンソースだし。

(2001-04-04)

AppleShare 部分を自力でゴ〜リゴリコンパイルして設定し直したらあっさり直ってしまった。 ってことは、やっぱり出荷時の状態がイカレているっちゅうことじゃないか〜 > サン・コバルト〜! コバQを AppleShare ファイルサーバに使っている世の中の他の皆さんは、問題ないのだろうか? 普通インターネットサーバに使うだろうから、そんな人は誰ひとりいないのかもしれない... これが、Windows ファイル共有(SAMBA)に問題があった日にゃクレームが殺到してメーカーも対処せざるを得ないんだろうが、やはりマックは日陰者、耐え忍ぶしかない。

しかし、メーカーがサポートしてくれなくても、根性でなんとかなってしまうところはやはりLinux の面目躍如といったところか。

(2001-04-12)

Cobalt サーバ・アプライアンス販売終了

「Sun Cobalt サーバ・アプライアンス製品は、2003年11月20日をもちまして、販売終了とさせていただきました」だそうである。 そもそもやる気が見られなかったが、それならちょっかい出さなきゃいいのに。

(2003-12-31)

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